第一コンサルタンツは第一測量有限会社として昭和38年11月29日に創業しました。58年前です。
今日は創立記念日でありますので、当社の社訓についてお話をさせていただきます。社訓が「情熱、謙虚、誠実」であることを知らない社員はいないと思います。
私がいつ、なぜ社訓を作ったのか、私の思いをこれからお話させていただきます。
社訓を作ったのは、本社をこの地に新築移転した平成27年8月です。書道家の竹内土佐郎先生が、「新築祝いに何か書を書いて差し上げたい」とおっしゃって下さったので、研修室の入り口の壁に飾ってある社訓「情熱 謙虚 誠実」を揮毫してもらいました。
社屋ができても、「仏作って魂入れず」になるような気がしていました。会社の魂とは、社員が順守すべき行動規範です。
「会社も立派だが社員も立派だ、さすが第一コンサルタンツだ」と言われるようにするには、社訓が必要と思っていました。
いろいろと考えて、「情熱 謙虚 誠実」を社訓に決めたのですが、実は、平成25年の創立50周年記念式典、あるいは50周年記念誌で、「情熱、謙虚、誠実をモットーに、更なる精進をして参ります」という挨拶をしています。会社が100年企業に向けて成長を続けるには、「情熱、謙虚、誠実」を社員が常に意識して行動する必要があると思ったからです。
まず、「情熱」についてお話しします。いくら能力があっても、情熱つまり「やる気」がなければ成果は出せません。社員には、「日本一の技術者になる」「会社を日本一にする」という情熱をもって仕事に取り組んでもらいたいと願っています。
私が尊敬する経営者に、日本電産の創業者・永守重信氏がいます。昭和48年に28歳のときに社員4人で設立した会社です。48年経った現在の売上高は、1兆7千億円です。第一コンサルタンツは矢野利男氏が33歳の時に社員5人で創業しました。58年経った現在の売上高は23億円です。業種が違うので、金額を比較しても意味はありませんが、わずか48年で小型モーターの分野で世界一の企業に成長しています。当社は、日本一どころか四国で5番目です。
永守氏は、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」、「情熱、熱意、執念」の精神を貫いています。日本電産と当社の違いは、「情熱」の差だと思っています。今一度、情熱について考えて見て下さい。
次に「謙虚」について説明します。謙虚とは、自分のことを偉いと思わず、周りの人から素直に学ぶ姿勢があることです。
私が尊敬する人物に廣井勇がいます。今年の4月、廣井の出身地の佐川町に銅像を建立しました。廣井は、東京帝国大学の教授で土木学会第6代会長もされた人物です。私たちから見れば大天才ですが、家族には「自分には才能が無い。他人が3日でできることが一ヶ月もかかるのだ」と話し、日々努力を怠ることが無かったと言われています。廣井が見ていた他人とは、札幌農学校の同期の内村鑑三や新渡戸稲造だったのだと思います。
高い志や目標を持っている人は、常に自分より上の人を見ています。そうしますと、自分の知識や努力がまだ足らない、もっと勉強しなければと言う気持ちになります。
最後に「誠実」についてお話をします。誠実とは、嘘をつかない、約束を守るということです。
「至誠通天」という言葉があります。中国の孟子の言葉です。「誠の心を尽くして行動すれば、いつかは天に通じて認められる」という意味ですが、「何事においても、一つ一つの課題に誠実に取り組み、精一杯の努力をすれば、必ず願いは叶う」という教えです。
社訓は研修室の入口だけでなく、常に社員の目に入る場所におきたいと考え、東側の社員の出入口、食堂、3階調査部と4階設計部の壁にも掲示してあります。これは、設計部河川砂防課の生田万祐子さんに書いてもらったものです。
今日は創立記念日なので社訓の話しをさせていただきました。58周年を迎えることができたのは、社員、そしていつも支えてくれているご家族のお陰だと思っています。感謝の気持ちを表す意味で芋や金次郎のお菓子を用意しています。退社するときに持って帰って、ご家族で召し上がって下さい。
これからも「情熱、謙虚、誠実」を心掛けて、60周年、そして100周年に向かって邁進して参りましょう。
社員の皆様の益々の活躍とご家族の幸せを念じて58周年の挨拶とします。
令和3年11月29日
社長 右城 猛