式典は社員のみ参加のセミナー形式で行い、「生き残りを懸けた取り組み」や「若手社員の決意表明」などの熱の入った発表が行われました。
また、高知県にワンデーレスポンス、CCPMをいち早く導入し、「三方良しの公共事業改革」のリーダーとして活躍しておられる高知県土木部建設検査課長の夕部 雅丈様より「新時代に求められる技術者とは」と題する特別講演をいただき、社員一同熱心に聴講しました。その中で、公共事業の品質確保を図るため高知県が進めている三者会議への協力要請がありました。
創立45周年の式典をこのように迎えることができますことは,創業者である矢野利男様や諸先輩方,そして社員の皆様による粉骨砕身の努力は勿論のこと,国土交通省や高知県をはじめとする発注官公庁,それに同業者や協力会社の皆様からのご愛顧のお陰様であります。心より御礼申し上げます。
私は,昭和61年4月に入社しました。45年の内の半分は私も一緒に歩んで来たことになります。このような創立記念式典を開催するのは,会社始まって以来のことだと思います。45周年目に当たる今日の日を,第一コンサルタンツの新しい出発点にしたいという強い思いで,この式典を計画しました。
わが国では社会資本整備に対する強烈な逆風が吹き荒れています。多くの建設会社が経営破綻に陥っています。県内では竹内建設,四国土建,香長建設,四国開発といった高知県を代表する会社が次々と倒産しました。一昨日にはオリエンタル白石という日本を代表する一流企業までも破綻しました。
当社にとっても,これまで経験したことがない大変厳しい時代を迎えています。今年度の受注目標を9.5億円としています。しかし,予想以上に発注量が減少したのと,受注価格競争が厳しくなった影響で,今年度の受注額は計画を大幅に下回る可能性があります。
当社の社員はアルバイトも含めると95名です。最低でも8億円の受注がないと経営が成り立ちません。毎日残業しなければならないほど仕事があるので,当面は大丈夫だろうと思っておられるかも知れませんが,入ってくるお金よりも出て行くお金が多くなっています。このままで行けば経営は破綻してしまいます。
当社が生き残る道は,「会社の規模を縮小する」,「大手企業からの合併・吸収にのる」,「経営革新によって活路を見いだす」の3つの内のいずれかです。私は,昨年,社長に就任したときから,皆さんと一緒に経営革新の道を歩む決心をしています。年頭の挨拶でもお話ししたように,創立50周年までに当社を四国でナンバーワンのコンサルタントにし,皆さんの収入を現在の2倍にすることを目標にします。社員が一丸となって頑張れば,必ず実現します。
近年,社会環境が大きく変化しています。インターネットでいろいろな情報を得ることができます。高知に住んでいても世界に情報を発信することができます。私は,毎日歩いて通勤していますが,途中に「掘り出しや」という事務用品のリサイクルショップがあります。たくさんの事務机や応接セット,書棚が展示されていますが,買い物客を見かけることは滅多にありません。それでも,展示されている商品はどんどん入れ替わっています。ネット販売で成功しているのです。資本がなくても,地方に住んでいても,やる気があれば世界を相手にビジネスを展開できます。情報化は,当社にとって大きなチャンスです。これまでの仕事にこだわる必要は全くありません。むしろ,変わらなくてはなりません。逆風も見方を変えれば順風です。どうか皆さん,アイディアがありましたら,どんなことでも提案してください。
現在,ロングスパンを初めとする落石防護工の研究開発を行っています。マンションの営繕業務を受注する準備も進めています。その他にも新しい分野へ参入するためいろいろなことを考えて営業活動をしています。しかし,これらの成果が出るにはまだ少しの時間がかかります。それまでは何とかして耐えてゆかなければなりません。
現在の当社の規模を維持しようとすれば,数千万円というオーダーの経費を削減しなければなりません。現在,何を削減できるか洗い出しています。私は,皆さんの給料に手を付けるのは最後の最後と考えています。まずは身の回りの無駄と贅沢を徹底的になくすつもりです。無駄の中には,仕事の無駄もあります。本当は必要でないことを一生懸命やっているかも知れません。自分のやっている仕事の目的は何か,成果は何に活用されているのか,もっと効率的な方法はないのか,費用対効果は得られているか,という視点から再度見直すことが大事です。
この後,社員の皆さんによるスピーチが予定されています。4時半からは,高知県土木部建設検査課長の夕部雅丈様に「新時代に求められる技術者とは」と題して特別講演をしていただくことになっています。今日は,第一コンサルタンツの将来について皆さんと一緒に語り,「四国ナンバーワン」になる出発点にしたいと考えています。
最後に皆さんの今後のご健康とご活躍,そして第一コンサルタンツの益々の発展を祈念して私の挨拶といたします。