昨年度に高知県で実施した『最新の落石対策工に関する現場見学会・学術講演会 主催:地盤工学会四国支部』が行われました。本会に中国から参加された12人の方々の提案により「2015年柔構造落石防護技術国際シンポジウム」が開催されることとなりました。日本からは愛媛大学の矢田部副学長、木下助教,徳島大学の蒋准教授など総勢10名が参加しました。弊社からは右城社長,西岡専務,西川部長、奥村主任の4名が出席しました。4月22日から,6泊7日の日程で、北京市、成都市を訪問しました。
北京では,日本訪問時に中国建築学会地盤調査会の団長として訪問された書記長代理の杜文山氏(中鉄工程設計集団有限公司 副総行程師)と団員の潘氏(北京鉄路局大條工程勘測設計所 主任)、高氏(中鉄工程設計集団有限公司 副総行程師)、北京交通大学の呉教授との技術交流会を開いていただきました。成都での国際シンポジウムでは、弊社の右城が『日本における落石対策工の現状と課題』、奥村が『落石シミュレーション』について発表させていただきました。中国の技術者と多くの議論を熱心に交わすことができ、大変有意義な技術交流会となりました。さらに中国OST社での落石防護柵の性能実験は、4tの重錐を38mの高さから落下させるもので、非常に迫力がありました。翌日には、平成20年5月12日に発生した四川大地震(汶川地震)による岩盤崩壊・落石現場の現地視察を行いました。ここでは、山腹に広がる無数の崩壊跡や10mを超える巨大な落石、さらには倒壊した中学校を間近で見ることができ、マグニチュード8.0の直下型地震の恐ろしさを理解することができました。
中国は、新旧の街が入り乱れ、非常にエネルギーが感じられました。今回、出会った中国の方達は、非常に勉強熱心でした。特に若い方達は,英語や日本語を話すことができ、私も英語くらいは話せないと駄目だと痛感しました。落石実験施設は、日本にない大型施設で、今後、中国の落石対策技術の進歩は目が離せないと感じました。
中国滞在中には、日中の関係各位のお陰で大変有意義に過ごせることができ、深く感謝致します。